
JunAle |Interview| 刺し子アーティストが語る”クリエイティブ”とは?
日本古来から伝わる「襤褸」をモチーフにスニーカーやマウンテンジャケットといった現代のプロダクトに「刺し子」を施し独自の発想でアートとして表現してきたJun Ale。
Jun Aleこと杉前 潤氏はデザイナーとしての一面も持ち、様々な角度からものづくりの造詣を深めてきた彼だからこそ生まれるアイデアと技術で“古”と“新”を織り交ぜた作品を多数発表している。
伝統的な手法としての文化的な側面、装飾としての自由な色使いでのアート性、布の再利用という環境的な配慮の観点からも、海外での評価も高く注目を浴びている。
彼の様々なバックボーンを紐解きながら、クリエイティブに対しての“思い”に迫ってみた。

帰国した後もそのつながりの友達からはアレと呼ばれていたのでSNSのアカウントをJunAleとしたのがはじまりです。


襤褸に施されている手縫いが刺し子だと知り、実物をどうしても見たくて、当時浅草のアミューズミュージアムで襤褸の展示を常設していたので観に行きました。自分が何気なくやっていた繕いは昔から脈々と生活の中で続いてきた手仕事の一部だと感動したのがきっかけです。
現代のものが余っている環境の中でどういった意味があるのかを考えさせられました。それが一つの制作のモチベーションとなっています。それ以降、自身でも襤褸の収集を始め、刺し方や布の継ぎ方など独学で研究しながら制作を開始しました。


今回完成したシューズを見て、刺し子の特徴を活かしながらも現代的な1足に仕上がったのではないかと思います。
襤褸は刺し子で繋ぎ合わせ、使う人へとバトンを繋いでいきます。それを履いて外に出て、見てくれた人がかっこいいなとか、なにか響いて共感してくれて、”心”の部分でも人から人へと更に繋がっていけるような一足になってくれたら嬉しいですね。


■JunAle
1983年生まれ
スポーツウェアデザイナーの傍ら、襤褸から現代的な解釈として発展させ、フリースタイル刺し子アーティストとして活動を開始。
古来からの伝統手法、手仕事である刺し子のステッチワークをモダンに昇華し、唯一無二のアートを生み出す。
スニーカーを中心に、一針ずつ丁寧に繊細に縫い込まれた独特の佇まいがある作品、プロダクトをこれまで数多く発表している。
色褪せたスニーカー、ウェアに古布やハイテク素材を掛け合わせ、多彩な糸が力強くも繊細に両者を繋ぎ、また新たな息を吹き返していく。
Instagram:https://www.instagram.com/junale/